2023-01-01から1年間の記事一覧
今年の5月連休明けから、映画館に通い始めた。それから約半年。週に1〜2本を観る。映画館で映画を観るのは、愉しい。 【観る前】 映画館の上映スケジュールを観て、どの映画を観ようかと考える。予告編を観て、これを観ようと決めていることもある。公式サイ…
東京の下町で公衆トイレの掃除人として働く男。古いアパートに住み、朝起きて、歯を磨き、髭を整え、着替えて、外に出て空を仰ぎ、缶コーヒーを買い、軽自動車に乗ってカセットで古い歌を聴き、丹念にトイレ掃除をし、神社でサンドイッチを食べ、木漏れ日の…
【皇居】 昔の江戸城が皇居になっていること知っていたが、ピンとは来ていなかった。たまたま、近くに宿泊したので、朝早いうちに行ってみることにした。 皇居の東御苑と皇居外苑は、普段から一般公開されている。開門は午前10時。裏門の平川門の方から入ろ…
【あらまし】 アパートに住む映画評論家の夫と元精神科医の妻の老夫婦。夫は心臓病を患い、妻は認知症になっている。二人が亡くなるまでをドキュメンタリータッチに描く。 【人生は夢の中の夢】 初めの方で老夫婦が仲良く、ベランダで乾杯をする場面がある。…
三重県立美術館は、JR&近鉄津駅西口から、徒歩10分。少し、坂を上ったところにある。 わりと大きな美術館であった。外観は普通の公共施設という感じである。 ちょうど「絵本原画の世界」展をやっていたので、観る。観覧料一般千円。入ると、受付係の人…
2002年公開の「戦場のピアニスト」のリマスター版。カンヌ映画祭パルムドーム賞など数々の賞を受賞したした名作である。 実在のピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマンの著書が原作。ナチスのホロコーストから逃れ、生き延びた実話による。 ショパンのノ…
【あらまし】 フランス映画。クライムコメディ。 1930年代。売れない女優と駆け出しの女性弁護士。親友の二人は安アパートで貧乏暮らし。 女優は、有名プロデューサーから愛人になるよう迫られ、噛みつき押し倒して、逃げ帰る。 驚いたことに、そのプロデュ…
【鬼が弾く】 今年のまだ寒い時期、NHKBSでピアニストの舘野泉さんを特集した「鬼が弾く」という番組*1を観て、とても心を動かされた。 舘野さんは、日本を代表する優れたピアニストだったが、65歳の時に脳溢血で倒れ、右半身が不自由になった。その後、左手…
【あらまし】 1960年代のイタリア。哲学者、詩人、劇作家かつ蟻の研究者のアルド・ブライバンティが巻き込まれた裁判の顛末を描いたもの。実話に基づく。 アルドは、演劇や詩を教える私的サークル「塔」を開いていた。そして、教え子の青年エットレと互いに…
DIC川村記念美術館は、千葉県佐倉市の山の中にある。京成佐倉駅からの無料送迎バスで30分ほどで到着する。 DICとは、大日本インキ化学工業の現社名である。2代目社長川村勝己氏が収集したコレクションを展示している。 バスの発着場の横にチケットブース…
【あらまし】 手塚治虫の「火の鳥:望郷篇」を映像化したもの。おおむね、原作に沿って作れらているが、設定にいくつか違いや省略があるほか、結末が異なっている。 【あらすじ】※パンフに書いている程度に留めます。 地球からロケットに乗って逃げて来た若…
【あらまし】 『太陽がいっぱい』『リプリー』などの映画の原作を書いた小説家パトリシア・ハイスミスの人生を紹介するドキュメント。生誕100年を経て公開された日記や本人のインタービュー映像、元恋人たちや親類へのインタビュー、映画の映像などを織り…
【あらまし】 プッチーニのオペラ「ラ・ボエーム」の舞台を現代のニューヨークに移したミュージカル映画。ボヘミアン的生活を送る四人の若い男(詩人、画家、音楽家、哲学者)と二人の女性との恋愛が歌われる。基本的な筋は、プッチーニのラ・ボエームと同じで…
用事があり、久しぶりに上京した。東京駅に早く着いたので、前から気になっていた東京ステーションギャラリーに行ってみた。名前のとおり、東京駅構内の丸の内北口にある美術館である。 企画展として、「春陽会誕生100年/それぞれの闘い」が開催中であった。…
【あらまし】 フィンランドの世界的建築家アルヴァ・アアルトの記録映画。残っている映像や資料、インタビュー、手紙、作品などの資料を重ねて、その生涯を丹念に描く。 【自然との調和】 アアルトの根底には、人間は自然の一部であり、建築や家具は自然に調…
【あらすじ】 ルーマニア、トランシルバニア地方の田舎の村。若者は出稼ぎに出ている。村での職場は、パン工場くらいしかない。しかし、低賃金で働き手がいない。 ドイツに出稼ぎに出ていた男が帰ってくる。出稼ぎ先の食肉工場で暴力沙汰を起こし、逃げてき…
【あらまし】 第266代ローマ教皇フランシスコのドキュメンタリー。大部分は、約800時間のアーカイブ映像を編集したもの。教皇フランシスコは、2013年の就任以来、53カ国を訪問している。映画では、各地での訪問の様子が描かれる。【旅する教皇】 ブラジル、…
【映画のあらまし】 関東多大震災の後、福田村(千葉県野田市)で実際に起こった行商人虐殺事件を題材にした作品。事件の背景となる村民の人間関係などはフィクションと思われる。 群像劇である。中心人物は、朝鮮半島から福田村に引き揚げた夫婦。夫は元教師…
【あらまし】 実話に基づく、リチャード三世の遺骨を発掘した女性の話。 フィリッパ・ラングレーは二人の息子を育てながら、会社員として働く女性。ある日、シェイクスピアの「リチャード三世」の劇を見て、悪人リチャード三世として描かれた王に同情する。…
【あらまし】 引退してなぜかベネチアで暮らす名探偵ポアロ。ハロウィンの夜、旧知のミステリー作家に誘われ、古い館で行われる降霊会に参加する。屋敷で亡くなった令嬢の霊が見えるという胡散臭い霊媒師のトリックを見破るポアロ。しかし、次から次へと起こ…
※ネタバレあり 【あらすじ】 舞台劇女優の姉アリスと詩人の弟ルイが和解するまでのドラマ。 若くして女優になり、脚光を浴びた姉。その影に隠れて長年目が出なかった詩人の弟。もともとは仲の良い姉弟だった。ところが、弟が詩人として成功してから、二人の…
【あらまし】 アイヒマンの処刑と遺体の処理にまつわるドラマ。 1961年。アイヒマンは、潜伏先のアルゼンチンからイスラエルに拉致され、裁判にかけられた。判決は絞首刑。刑の確定後、ただちに処刑される。問題は遺体の処理。 遺体は遺族に引き渡さなければ…
【主役は津軽塗】 「バカ塗り」というのは、津軽塗の異名で、馬鹿正直に何度も塗り直すので、こう呼ばれるのだとか。 家業の津軽塗を娘が継ぐまでの話。自分探しと成長譚、家族との葛藤などに今風のテーマが織り込まれている。 漆を塗り込み、器を磨いていく…
※ネタバレあり 【メタフィクション】 1955年。アメリカ南西部の砂漠の町、アステロイド・シティ。奇抜な発明をした5人の天才少年少女とその家族が招待され、科学賞の授与が行われる。そこにUFOに乗った宇宙人が現れて……。 という話なのだが、実はこれは脚本…
✳︎ネタバレあり。 【あらすじ】 イランが舞台。父、母、長男、次男の四人家族と犬。車でひたすらどこかに向かう。ハンドルを握る長男は物静か。助手席の母は、次男を叱ったかと思えば、歌謡曲に乗って急にはしゃいだり。髭面で熊のような父は、片足にギブス…
【あらまし】 オーストリア皇后エリザベートの40歳の1年をドキュメント風に描いたもの。 夫は、オーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフ一世。エリザベートは皇后としての役割を果たすため、ダイエットをして細身の身体を維持し、乗馬やフェンシングで身体を鍛え…
【概要】 第二次世界大戦終結後、ソ連でナチスの将校を被告とする軍事裁判が開かれた。本作は、実際の裁判の記録映像を編集して作られたもの。 1941年、ナチスドイツは、キエフを占領下に置き、在住のユダヤ人を殲滅する作戦を敢行した(バビ・ヤールの大虐殺…
【あらすじ】 フランス人指揮者の父と息子。年老いた父の輝かしいキャリアは過去のものとなっている。一方、息子は、大きな賞を受賞し、時流に乗っていてる。息子の活躍が、父には面白くない。 ある日、老指揮者に電話が入る。夢にまで見たミラノ・スカラ座…
【あらすじ】 1943年、ポーランド人でユダヤ教徒のヘルツコ・ハフトは、アウシュビッツに収容された。身体が強いのを見込まれて、ナチス将校の主催する収容者同士の賭けボクシングのボクサーになる。負けた者は、殺されるという過酷な試合。ヘルツコは、勝ち…
【概要】 かつてドイツでは、男性の同性愛は刑法175条で罰せられた。その頃の話。 ハンスは、ナチス・ドイツの時代から、同性愛の罪で収容されており、戦後も釈放されることなく、アメリカの統治下でも収容が続けられた。 出所しても、繰り返し検挙され、収…