【あらまし】
第266代ローマ教皇フランシスコのドキュメンタリー。大部分は、約800時間のアーカイブ映像を編集したもの。教皇フランシスコは、2013年の就任以来、53カ国を訪問している。映画では、各地での訪問の様子が描かれる。
【旅する教皇】
ブラジル、アメリカ、キューバ、カナダ、フィリピン、アフリカ、イスラエル、パレスチナ、アラブ、イラク、マダガスカル、日本などなど、文字通り世界を旅している。各地では大歓迎される。
フランシスコ教皇は世界各地から、招かれている。行く場所を選ばなければならない。フランシスコは、問題のある地域の問題のある場所へわざわざ出かける。チリの刑務所、メキシコとアメリカの国境、イスラエルとパレスチナなどなど。そして語りかける。「夢を持とう」「戦争は不正だ」「武器を売るな」「グローバリズム反対」「無関心でいるな」「みんな友人だ」「分断でなく連帯を」「自由は奪えても尊厳は奪えない」「働け」などなど。メッセージは、シンプル。どこでも、誰に対しても、言うことは変わらない。
組織のトップの演説など、誰かが書いた原稿を読み上げるだけでつまらないのが普通だが、フランシスコ教皇の話はもっと聞きたくなる。
【祈る教皇】
フランシスコが行くのは、キリスト教圏だけではない。ユダヤ教のラビ、イスラム教の指導者、ギリシア正教の大司教らとも対話をする。どの宗教にも寛容である。
そして、各地で祈る。嘆きの壁の前でも、イスラム教のモスクでも広島でも。もちろん、一人でも祈る。
結局のところ、人柄なのだと思う。フランシスコはとても良い顔をしている。
旅するローマ教皇
ドキュメンタリー ★★★★★
世界を知る ★★★★