フランスの映画発明者リュミエール兄弟の作品を紹介する映画。いわば映画の映画である。 リュミエール兄弟は、エジソンが発明したキネトスコープから影響を受け、動画を映写する装置(シネマトグラフ)を発明した。1895年のことである。 17メートルのフィルム…
※ネタバレあり。 【あらまし】 近未来のSFヒューマンドラマ。ミステリー(謎解き)仕立てで物語が進んでいく。 本作の謎は、自殺した母の本心。仲の良い親子だったのに、なぜ何も言わずに自死を選んだのか。最後に伝えたかったことは、何だったのか‥‥ 息子は…
※ネタバレあり。 【あらまし】 脱毛サロンで働く21歳の女性。同棲している交際相手から、別の交際相手に乗り換える。相手のことは好きなのだが、些細なことで爆発してしまう。自分のことは棚に上げて、相手を責める。嘘も平気でつく。精神科の診察を受けた…
※ネタバレあり。 【あらまし】 北国の冬。ここでは、男の子はみな雪が降るとアイスホッケーをして、雪がない季節は野球をすることになっているらしい。 少年は、野球もアイスホッケー下手で、やる気もない。どうやら、争いごとが嫌いなタイプのようだ。 アイ…
ホキ美術館は、千葉市にある世界でもまれな、写実絵画専門の美術館である。「ホキ」というのは、創設者の姓「保木」からとったものと思われる。収蔵作家一覧のには50人近い画家の名前が挙がっているが、ほとんどが現役作家である。そういう意味では、現在…
信仰宗教に取り込まれた家族を、家族の次女であるちひろの目線から描いた物語。 子どもがどのように親の宗教に巻き込まれていくのか、ということがよく分かるのだが、それを声高に訴えているものではない。 それよりも、子どもが世の中をどのように見ている…
アーティゾン美術館は、東京駅八重洲中央口から出て、徒歩5分のとても行きやすい場所にある。以前は、「ブリヂストン美術館」という名称だったが、新美術館として2020年に開館した。23階建ての高層ビル「ミュージアムタワー京橋」の1~6階が美術館…
「箱男」は、箱を被った男が奇妙な体験をする話である。原作は阿部公房。今回は小説を読んで予習してから観に行った。 箱男は、段ボールを被って、その中で暮らし、街を徘徊して、のぞき窓から外を見る生活を送る。普段は気にしないが、実は街のそこここにい…
【あらまし】 1945年。終戦直前のデンマークのとある町。小規模な市民大学の学長一家の物語。ソ連に進行されたナチスドイツは、自国民を「難民」として、占領下の地域に移送する。デンマークには、20万人もの「難民」が連れてこられ、この町にも500人余りの…
寝しなに『虞美人草』読んだ。長いので、二月ほどかかった。読み出すとすぐに眠気が来るので、睡眠導入剤としては優秀であった。 【登場人物】 小野さん 大学を優秀な成績で卒業した詩人。博士論文を執筆中。孤児であり、若い頃は貧乏で、京都では孤堂先生に…
佐川美術館は、滋賀県守山市の琵琶湖畔にある。宅急便で有名な佐川急便の創業40周年記念事業の一環として開館された。 「湖畔に佇むように建つ、こぢんまりとした美術館」を想像していたのだが、訪れてみると、意外と大きかった。湖畔ではあるが、湖に面して…
作曲家ラヴェルの生涯を「ボレロ」作曲のエピソードを中心に描いたもの。 ラヴェルと言えば、「ボレロ」と「亡き王女のためパヴァーヌ」くらいしか知らず、豪快な中にも叙情的な感性を持ち合わせた人物というイメージだったが、実は繊細で神経質な人であった…
【あらまし】 1986年制作のイギリスのアニメーション映画。第二次世界大戦から40年後。イギリスの片田舎の一軒家で年金暮らしをする夫婦が核戦争に巻き込まれるなりゆきを描く。 夫は、図書館で新聞を読み、まもなく核戦争が始まると知る。政府発行のパンフ…
スマホを忘れた日、カバンの中に入っていた『草枕』を読んだら、案外面白かった。それで、入浴中にちょびちょび読んで、短い話なので、ニ遍読んだ。『草枕』は入浴中に読むのがちょうど良い。 『草枕』にストーリーはない。漱石自身、ただ美しい感じが読者の…
✳︎ネタバレはありませんが、多少内容に触れます。 漫画に青春をかけた二人の少女の成長物語。原作は、藤本タツキの漫画である。58分と短いが、人気の作品らしい。 漫画家になるためには、ひたすら描き続けなくてはならない。そして、運良く漫画家になったら…
✳︎ネタバレあり 【あらまし】 20世紀初め頃から70年頃にかけて、スイスの山と谷で生きて死んだ無名の男の一生をたどる。 幼い頃、孤児になったアンドレアス・エッガーは、農業を営む伯父に引き取られる。伯父からは、酷い扱いを受け、家僕のように扱われる。…
※ネタバレあり 【あらまし】 イタリア・トスカーナ地方の田舎町。イギリス人アーサーは、地下の遺跡を探し当てる特殊能力を持っている。なぜか、盗掘団の一員となっていて、古代エトルリア人の墓を掘り返しては、埋葬品を売って日銭を稼いでいる。 アーサー…
※ネタバレあり。 【あらまし】 フランス映画。物心つかない頃に母と死別したクレオは乳母のグロリアに育てられる。グロリアはアフリカの島国カーボベルデの出身。クレオは、グロリアにべったりだが、グロリアは家庭の事情で帰国することになる。クレオは、グ…
※多少のネタバレあり。 長年、音信不通だった父親が保護された知らせを受けた息子が、認知症になってしまった父の過去を解き明かしていくという話。 息子が施設を訪ねても、父は妄想に囚われていて、話がかみ合わない。父の家はもぬけの殻で、父の再婚相手は…
【あらすじ】ネタバレあり。 四階建てのアパートが舞台。インテリア・デザイナーの女性が所有している。そこに旧友の映画監督が娘を連れて訪問するシーンから始まる。娘は、美術を専攻していたが、仕事がなくインテリア・デザイナーを志望している。 所有者…
ドイツの芸術家アンゼルム・キーファーのドキュメンタリー映画。監督は『Perfect days』のヴィム・ヴェンダースである。 【アートのアート】 アンゼルム・キーファーは、戦後ドイツを代表する画家とのこと(この映画で初めて知った)。 ドイツの歴史、ナチス…
寝しなに『彼岸過迄』を読んだ。一月くらいかかった。 【彼岸過迄】 このタイトルはカッコ良いのだが、実は内容とは無関係。大病から復帰した漱石が、新聞小説を連載するにあたり、彼岸過ぎまでには終わらせると言ったことが、小説のタイトルになった。 まえ…
【あらまし】 アウシュビッツ収容の司令官ルドルフ・フェルディナント・ヘスとその一家の話。実話に基づく。なお、ナチス副総裁のヘスとは、別人物である。 ヘス一家は、収容所の隣に広大な屋敷を構えている。広い庭園があり、花や野菜を育て、プールや温室…
【あらまし】 ベルギーのブリュッセル。掃除婦として働く女性は、仕事を終えて帰途に着く。ところが、地下鉄で寝過ごし、終点まで行ってしまった。もう、帰りの列車はない。仕方なく、歩いて自宅の方に向かう。途中で、ATMでお金を下そうとするが残高不足だ…
伊吹山に登った。日本百名山の一つである。滋賀県と岐阜県にまたがっていて、滋賀県では最高峰である。標高1,337m。 登ったと言っても、歩いたのは9合目からである。伊吹山ドライブウェイというものがあり、ほとんど車で行けるのである。 【伊吹山ドライブウ…
【あらすじ】(ネタバレあります) 実話に基づく。十九世紀の半ばのイタリアはボローニャ。ユダヤ人街で暮らす一家の元に、突然、ローマ教皇からの使者がやってくる。一家の子どもの内の一人、7歳のエドガルドを差し出せ、というのである。 その理由は、エ…
寝しなに夏目漱石の「道草」を読んだ。すぐ眠くなるので、一日数ページである。読み終わるのにひと月くらいかかった。面白かった。 『道草』は、漱石がイギリス留学から帰った時期の出来事が題材となっている。三十代後半くらいの時期である。 漱石の生い立…
愛知県豊川市にある本宮山に登った。標高789m。東三河では、一番高い山とのこと。なお、東三河とは、愛知県の東部地域。豊橋市や豊川市、新城市、渥美半島などが含まれる。 本宮山の登山口には、ウォーキングセンターがあり、マップももらえる。トイレもある…
【あらまし】 舞台はベルギーの首都ブリュッセル。ルーマニアからの出稼ぎ労働者の男性と中国系の植物学者の女性の出会いを描く。 出稼ぎ労働者シュテファンは、ビルの建設現場で働いている。夏は一か月間、工事がストップするので、仲間はそれぞれバカンス…
岡崎市八丁にある「八丁味噌の郷」を訪れた。赤味噌を370年以上にも渡って作り続けている合資会社「カクキユー」の本社と工場に売店と食堂が併設されている。 カクキュー本社屋。昭和2年に完成。国の登録有形文化財だが、現在も使われている。 昼前に到着。…