晴れ、ときどき映画と本、たまに旅

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八丁味噌の郷〜サスティナブルなAKA-MISO

 岡崎市八丁にある「八丁味噌の郷」を訪れた。赤味噌を370年以上にも渡って作り続けている合資会社「カクキユー」の本社と工場に売店と食堂が併設されている。

カクキュー本社屋。昭和2年に完成。国の登録有形文化財だが、現在も使われている。

 昼前に到着。それほど混んではいないが、団体客のバスが2台停まっていて、それなりに見学者は来ていた。

 昼前だったので、混む前にとまずは食堂に行く。味噌煮込みうどんと味噌カツが主要メニュー。味噌カツ定食を食べる。1,600円。味はフツー。

 売店の中に見学ツアーの受付がある。30分ごとに開催される無料のツアーである。申し込むと、うまい具合に次の回に滑り込むことができた。

 ツアーでは、味噌工場の敷地に入って、実際の味噌作りの様子や資料館を見学することができる。私の参加したツアーは、合計7組が参加。家族連れもいれば、カップルもいた。ガイドさんの後をぞろぞろ続いていく。女性のガイドさんは歯切れよく説明をしていく。

 ガイドさんの説明によると、とにかくなんでも古い。創業は、江戸時代初期の1645年(正保2年)。現当主は19代目とのこと。

 本社屋は、大正末期に作られたもの。当時としてはモダンなものだった。百年近くたっているが、現在も使われている。味噌蔵はさらに古く、明治時代のものとのこと。

 資料館を見学する。味噌作りの様子がジオラマで再現されている。製法はシンプルで、大豆を巨大な窯で蒸して発酵させ、塩と水を加えて、巨大な樽に詰め、石の重しを積み上げて、2年ほど成させるというもの。

 

味噌づくりのジオラマ。現在も作り方は基本的に同じ。

 

 製法は、基本的に今も同じである。大豆と塩と水以外のものは一切なし。いさぎよい感じである。

 木桶は、縦も直径も6尺(180cm)ある。大人がすっぽり入ってしまう大きさである。杉の木で作られていて、百年以上使えるのだそうな。

巨大な桶。人がすっぽりと収まる。これは、天保10年(1839年)製のもの。

 実際の工場も見学できる。中に入ると、味噌の発酵する匂いが漂っている。巨大な味噌樽が並んでいる様は壮観である。味噌の上の重しの石は、近くを流れる矢作川なものだそうだが、これも代々使いまわしているのだとのと。この石を積み上げるにも相当の修練が必要で、一旦積まれれば、地震が来てもびくともしないとのことであった。

味噌樽の群れ。壮観である。

 ツアーは、30分で終了。最後に味噌汁の試飲と味噌だれ付きのこんにゃくの試食があり、ちょっとしたお土産ももらえる。

 最後に売店赤味噌を購入。ついでに、味噌のソフトクリームも食べた。

 赤味噌は、色々と健康にいいそうである。スーパーフードだと絶賛する人もいる。何よりおいしい。ご飯にぴったりである。海外でも人気だそうだ。

 近頃、「持続可能な~」とよく耳にするが、八丁味噌は、ずっと昔からサスティナブルなのであった。