晴れ、ときどき映画と本、たまに旅

観た映画、読んだ本、訪れた場所などの記録

2024-06-01から1ヶ月間の記事一覧

映画『アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家』〜終わることのない追究

ドイツの芸術家アンゼルム・キーファーのドキュメンタリー映画。監督は『Perfect days』のヴィム・ヴェンダースである。 【アートのアート】 アンゼルム・キーファーは、戦後ドイツを代表する画家とのこと(この映画で初めて知った)。 ドイツの歴史、ナチス…

『彼岸過迄』〜中途半端な探偵と優柔不断な男

寝しなに『彼岸過迄』を読んだ。一月くらいかかった。 【彼岸過迄】 このタイトルはカッコ良いのだが、実は内容とは無関係。大病から復帰した漱石が、新聞小説を連載するにあたり、彼岸過ぎまでには終わらせると言ったことが、小説のタイトルになった。 まえ…

映画「関心領域」〜適度な関心領域とは?

【あらまし】 アウシュビッツ収容の司令官ルドルフ・フェルディナント・ヘスとその一家の話。実話に基づく。なお、ナチス副総裁のヘスとは、別人物である。 ヘス一家は、収容所の隣に広大な屋敷を構えている。広い庭園があり、花や野菜を育て、プールや温室…