晴れ、ときどき映画と本、たまに旅

観た映画、読んだ本、訪れた場所などの記録

伊吹山〜お手軽百名山

 伊吹山に登った。日本百名山の一つである。滋賀県岐阜県にまたがっていて、滋賀県では最高峰である。標高1,337m。

 登ったと言っても、歩いたのは9合目からである。伊吹山ドライブウェイというものがあり、ほとんど車で行けるのである。

伊吹山ドライブウェイ】

 関ヶ原インターを降りて、しばらく走るとドライブウェイの料金所が現れる。係の人がいて、通行料を支払う。現金かクレジットカード払い。3,140円。ちょっと高い。

 ドライブウェイは、うねうねとカーブが続く。全長17キロ。昭和40年に開通したとのこと。よくこんなものを作ったものだと感心する。

 制限速度は30キロ。慎重に走っていると、後続車がたまってくるので、ところどころにある待避所に車を止めて、先に行ってもらう。

 30分ほどで、終点の山頂駐車場に到着。かなり広い(約600台収容)。売店、レストラン、トイレも完備している。トイレは、協力金として100円を支払うよう求められる。

【ハイキングコース】

 9合目から、頂上へのハイキングコースは、3つ。

 ①西登山道コース……山頂まで1,000m。約40分。ゆるやかな登り。初心者向け。

 ➁中央登山道コース……山頂まで500m。約20分。急勾配でほぼ階段。慣れている人向け。

 ③東登山道コース……下り専用。山頂から1,500m。約1時間。

 看板を見て、登りは①のコースを選択。

 ①の登山道は、白い石が敷き詰められていて、ロープが張られ、整備されている。家族連れの人々などが、長い列を作って、登り坂をえっちらおっちら歩いていた。登山の格好をしている人もいるが、クロックスサンダルの人もいる。子どもたちは、駆け上がって、はあはあ言っている。

 向かって右側(西南側)には、琵琶湖が見える。湖の上に浮かんでいるのは、竹生島である。

琵琶湖を望む。浮かんでいるのは竹生島

 歩いているうちに、頂上に着いた。30分くらい。頂上には、売店やトイレ、お堂などがある。売店では、オムライスやビールなども売っていて、幟が立っていた。俗っぽい感じではあった。

 ベンチに座って、持参のおにぎりをほおばる。景色は良い。東側を見ると、遠い山並みが見える。どれがどの山かは分からないが、天気の良い日は日本アルプスも見えるとのこと。それらしき白い山が遠くの方に見えた。

遠い山並み

 伊吹山は、高山植物のメッカとのことである。季節になれば、お花畑になるとのこと。まだ時期が早かったのか、小さな花がちらほら咲いているくらいであった。

 山頂をぐるりと一周する。眼下に関ケ原が見える。滋賀県岐阜県の境目で、養老山地や鈴鹿山脈伊吹山地のはざまで、土地が関所のように狭まっていることが分かる。

新幹線が走っていくのが見える。

関ケ原を見下ろす

 下りは、③の道から。石灰岩が露出している。伊吹山は古い山で、上半分は石灰岩でできている。これは、約3億年前のサンゴの塊である。そのため、石灰岩地帯特有のドリーネやカレンフェルト地形を見ることができる。(以上、伊吹山ドライブウェイのパンフより)

 3億年前に海の底に積もったサンゴが山になっている……なかなか想像しがたい。

 ちなみにドリーネとは、石灰岩が雨水で溶かされて小さく窪んだものであり、カレンフェルトとは、逆に溶け残った石灰岩がぼこぼこと露出しているものとのこと。

石灰岩が露出している。カレンフェルト

 ③の道はやや長く、少し急になっている箇所もあった。途中で、タヌキとシカに出くわした。タヌキは人に慣れているのか、登山客にかまわず、土を一心に掘っていた。シカは軽々と登山道と飛び越えていった。

 

 ③の東登山道(下り専用)。急な箇所もあり、ハイヒールやサンダルでは危険

 40~50分くらいで駐車場に戻る。この頃には、駐車場は9割方埋まっていた。

関ケ原古戦場記念館】

 ハイキングが終わったので、長いドライブウェイを下って降りる。上ってくる車も増えてきた。

 まだ時間があったので、関ケ原古戦場記念館というところに寄ってみた。この辺りは、いたるところに関ケ原関の戦い関連の史跡があり、史跡巡りができるようになっている。関ケ原の戦いは、1600年に起こったので、今から424年前の出来事である。伊吹山の誕生に比べると、ごく最近のこととも言える。

 関ケ原古戦場記念館は、関ケ原町役場の向いにある。意外にもモダンで立派な建物であった。そして、大勢の人でにぎわっていた。

 入場料大人500円。1階にシアター、2階に展示室、5階に展望室がある。シアターは大人気で、予約がないと視聴できない。2階の展示室に行く。人でごった返していたので、ざっと見て出る。4階の展望室は、関ケ原一帯を見渡すことができ、パネルで、どこに誰の陣地があったかなどが説明されている。親子連れが多く、お父さんが子どもに関ケ原の戦いの解説をしたりしている。

 記念館には売店やレストランが併設されている。売店では、戦国武将のキャラクターグッズが売られ、レストランでは武将の名前にちなんだカレーやパフェなどが売られていた。ここも人でごったがえしていた。歴史好きの人が多いことを実感した。