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アーティゾン美術館~「作品と空間」展

 アーティゾン美術館は、東京駅八重洲中央口から出て、徒歩5分のとても行きやすい場所にある。以前は、「ブリヂストン美術館」という名称だったが、新美術館として2020年に開館した。23階建ての高層ビル「ミュージアムタワー京橋」の1~6階が美術館となっている(展示室は4~6階)。

 入ると、広々とした吹き抜けになっている。カフェがあり、メニューを眺めていると、店員さんが来て、飲み物しかだせないと釘を刺された。中途半端な時間だったらしい。ホットコーヒーを注文。650円。カフェでは、マダムっぽい人々がお茶を楽しんでいた。コーヒーは濃いめで、砂糖とミルクを入れるとちょうど良かった。店員さんたちは、みな手袋をはめていて、清潔感を重視していることが分かる。

 さて、エントランスロビーから、エスカレーターで2階に上がる。2階にロッカーがあり、荷物を置いてエレベーターで6階に上がり、6階から順に下っていくという仕組み。

 なお、この美術館は予約制で、事前にウェブ予約チケットを購入しておくと、スムーズに入館できる。(この日の展覧会は、ウェブ予約で1,200円)

 

「空間と作品」展

 当日は、「空間と作品」展を開催していた。これは、美術品がもともとあった生活空間を再現してみるという試みである。展示されているのは、すべてアーティゾン美術館が保有しているコレクションである。

 たとえば、ピアニストのホロヴィッツの居間には、ピカソの「腕を組んで座るサンタバンク」という絵が飾られていて、その写真とともに、居間が再現されている。そもそも美術品は、個人に買われて居間や書斎に飾られるものであったことに気づく。

 そのほか、丸山応挙の襖絵(かわいらしい子犬の絵)の日本家屋の畳の間が再現されていて、畳に上がって絵を見ることができたり、おしゃれなリビングが作られていて、イスに座って作品を眺められるようになっていた。

 もともとブリヂストン美術館の所蔵品なので、見覚えのある作品が多かったが、初展示として豊臣秀吉の書簡といったものもあった。秀吉の字はのびやかで闊達であった。

 基本的に写真撮影は可(非営利かつ私的目的のみ。撮影禁止の作品を除く)。鉛筆でのスケッチも可。予約制のためかそれほど混んではおらず、ビューデッキなどの休憩コーナーもあり、ゆっくりできる。展覧会は、随時開催されているようなので、また時間のできたときには訪れてみたい。