晴れ、ときどき映画と本、たまに旅

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映画「ラ・ボエーム ニューヨーク愛の歌」〜本物を見たくなる

【あらまし】
 プッチーニのオペラ「ラ・ボエーム」の舞台を現代のニューヨークに移したミュージカル映画ボヘミアン的生活を送る四人の若い男(詩人、画家、音楽家、哲学者)と二人の女性との恋愛が歌われる。基本的な筋は、プッチーニラ・ボエームと同じである。
 オペラが元になっており、ほぼ全部セリフは歌である。
【オペラ歌手】
 実力派の若手オペラ歌手が演じている。詩人(テノール)とヒロインのミミ(ソプラノ)はアジア系、画家(バリトン)とその恋人(ソプラノ)はラテンアメリカ系、音楽家は黒人(バリトン)、哲学者は日本人(バス)とマイノリティー系の配役となっている。
 オペラ歌手といえば、恰幅の良いヨーロッパ人という先入観があったが、詩人とミミはさえない感じの小柄なアジア人であった。ところが、人間はこんな声が出せるんだと思わせるくらい歌声は素晴らしく、見た目とのギャップが面白かった。あり得ない話なのに、恋する二人の歌を聴いている内になんだか感動してくるから不思議なものである。
 日本人には本物のバス歌手はいないと聞いたことがあったが、そんなことはない。哲学者役の井上秀則の演技はユーモラスでもあった。 
【本物】
 なぜ、1830年のパリの話を現代のニューヨークに移したのかは不明であった。とはいえ、これでどんなものかは分かったので、今度は本物のオペラで観たくなった。

 

ラ・ボエーム ニューヨーク愛の歌
芸術度  ★★★★
エンタメ ★★★