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映画「戦場のピアニスト」4Kデジタルリマスター版

 2002年公開の「戦場のピアニスト」のリマスター版。カンヌ映画祭パルムドーム賞など数々の賞を受賞したした名作である。

 実在のピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマンの著書が原作。ナチスホロコーストから逃れ、生き延びた実話による。

 ショパンノクターン20番が流れる映画ということは知ってはいたが、観たのは初めてだった。

 ピアノを弾くシーンが多いのかなと期待していたのだけれど、それは最初と最後くらいで、シュピルマンナチスの目を逃れて潜伏するシーンがほとんどだった。もっとも、潜伏しているので音は立てられない。仕方ない。

 ピアノを弾いていた手の出演は、ポーランドのピアニスト、ヤノシュ・オレイニチャクとのこと。これは抒情的で良かった。

 実話からは、だいぶ脚色があるのだろうけれど、知人や家族が犠牲になる中で、シュピルマンは、色々な人から支援を受け、最後にはドイツ将校に助けられて何とか生き延びる。運が良かったのだろうし、生き延びるという気力が強かったのだろう。

 ポーランドユダヤ人の話なのに、みんな英語で喋っているのは気になった。その辺りは、最近の映画では、なるべく当時の言語を使うようにしているようである。ウクライナへのナチスの侵略がテーマの「キャロル・オブ・ザ・ベル」などもそうだった。「ヨーロッパ新世紀」では、民族の違いを際立たせるため、言語ごとに字幕の色を変えるなど工夫していた。

 そういう意味では、名作といえども、やや古びているように思えた。

 なお、ウワディスワフ・シュピルマンは、戦後もピアニスト、作曲家として活躍した。享年88歳。その長男のクリストファー・W・A・スピルマン氏は、歴史学者。日本近代政治思想史が専門で、元九州産業大学教授とのこと。日本にも縁があるのだった。

 

戦場のピアニスト」4Kデジタルリマスター版

ドキュメンタリー ★★★

歴史       ★★★