晴れ、ときどき映画と本、たまに旅

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映画「私がやりました」〜逆転の発想

【あらまし】

 フランス映画。クライムコメディ。

 1930年代。売れない女優と駆け出しの女性弁護士。親友の二人は安アパートで貧乏暮らし。

 女優は、有名プロデューサーから愛人になるよう迫られ、噛みつき押し倒して、逃げ帰る。

 驚いたことに、そのプロデューサーは、女優がいた時間帯に殺されていた。

 あらぬ嫌疑をかけられた女優は、正当防衛で無罪となる見込みがあると知り、自分がやったと自供。有名になるために、賭けに出たのだ。

 裁判では、女性蔑視の検察官相手に、親友の弁護士が熱弁を振るう。最後の女優の演技が陪審員に響いたのか、見事無罪を勝ち取る。

 女優は一躍時の人となり、映画や舞台の主役依頼は引きも切らず。豪邸に引っ越し、ローブをまとい、シャンパンを片手にウハウハ状態。

 そこに現れるのが、往年の大女優。今は落ち目の彼女は、プロデューサーを殺したのは自分だと主張し、その証拠品を次々と出す。「私の犯罪を返して」。どうやら、真犯人らしい。さて、二人はこの危機をどう乗り越えるのか……。

【コメディ】

 ありえない不謹慎な話だが、テンポが良く、時間を感じさせない。フランス語の掛け合いは、聞いていて心地よさがある。

 強欲なアパートの家主、ゴシップ好きの管理人、思い込みで取り調べをする予審判事、女性蔑視論者の検察官、大会社の御曹司だが働く気のない女優の恋人、好色な癖に妙に真面目な建築家などなど、カリカチュア的な人物表現もコメディならでは。

 犯人の座を争うという発想は斬新。結末は意外というほどではないが、一応、オチをつけて、お後が宜しいようで。

 楽しく時間を過ごせる映画であった。後には残らないけれど。

 

私がやりました

エンタメ ★★★

コメディ ★★★★