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静嘉堂文庫美術館「平安文学、いとをかし」展~物語の生命力

静嘉堂美術館

 静嘉堂文庫美術館は、千代田区丸の内にある明治生命館の一階にある。地下鉄千代田線二重橋前の3番出口から上がると、美術館の前に出る。

 静嘉堂文庫は、三菱財閥を作った岩崎彌太郎の弟の彌之助が創設した。岩崎家が収集した美術コレクションは、静嘉堂文庫美術館(世田谷区)で公開されていたが、令和4年に「静嘉堂@丸の内」として明治生命館の1階に開設されたとのこと。

 当日は、「平安文学、いとをかし」展が開催されていた。古今和歌集から枕草紙、平中物語、平治物語絵巻、住吉物語絵巻、源氏物語絵巻などなど、平安期から江戸期までの写本や絵巻物、屏風図などを見ることができる。

 展覧会のメインは、源氏物語に関するものであった。紫式部日記の写本によれば、源氏物語の執筆当時から宮中での関心が高かったようだが、その後もず写本や絵巻物、屏風などが作られ続け、執筆中の紫式部の絵が描かれ、美しい箱に入った豪華本が嫁入り道具となったり、漫画風の絵入り小冊子となったりしている。そういえば、現代でも大河ドラマになり、新訳も出たりしている。紫式部という一人の人物が書いた(という説が有力)物語が、千年以上にわたって生き続け、影響を与え続けていることに、物語の生命力というか、凄まじさを感じる。

 とはいえ、源氏物語はほぼ読んだことがない。一度、読んでみよう。

 展覧会では、音声ガイドを貸し出しており(600円)、聞きながら見ると鑑賞のポイントが分かって良かった。

 美術館の入っている明治生命館は、昭和9年に建てられた古典様式の建物で重要文化財。こちらは二階を無料で見学できる。

 レトロな感じのエレベーターで二階に上がると、受付の人が案内をしてくれた。一階からの吹き抜けを囲んでぐるりと、会議室や食堂、執務室、応接室などを見学できる。何様式かは知らないが、格調高い感じである。郵便用のシューターがあったり、食堂に食事を運ぶためのエレベーターがあったり、掃除用の吸い込み口が備えられていて、当時としては最新鋭の設備だったのだろう。

 吹き抜けから一階を見ると、保険の窓口業務をしている人たちがいた。今も現役の建物なのであった。